2022年6月23日木曜日

JSAI2022に行ってきた

正式名称, 第36回人工知能学会全国大会.  毎年6月に国内AI研究者が集う, 同学会のフラッグシップ会議.  2020, 2021とフルオンラインが続いた後の, 3年ぶりのオンサイト開催(正確にはハイブリッド).  大学教員的には, 6月はふつうに授業があるので大学を離れるのはなかなか難しい…のですが, 久しぶりのオンサイト, さらに実行委員会から座長をやってほしいという依頼もいただいたので(渡りに船w), 当研究室から発表する修士1年の小林義幸くんを連れて開催地・京都に乗り込んだのでした.

夕日を受けて輝く京都国際会館.  昭和41年(1966年)開館の歴史ある建築物.  医学系の学会のような財力のある団体でないとこの施設はなかなか利用できない.

場所は国立京都国際会館.  地球温暖化問題について各国首脳が話し合ったCOP3などが開催された, 我が国を代表する歴史ある国際会議場.  本来は, JSAI2022のような国内会議には不釣り合いな「立派すぎる入れ物」ですが, 時代は空前のAIブーム.  このような場所で開催できることが現在の学会の隆盛を物語っています.  (つい先日, 10年にわたって急速に増え続けた学会の会員数がとうとう減少に転じたという情報が流れ, AIブームもいよいよ終焉かというのがより正しい現状認識なわけですが, それはまた別の機会に書きます)

周辺は自然豊富で, 京都らしく整備された小川も.  私の学生時代(1990年前後)は車がないと行けない不便な場所だったのが, 今は京都地下鉄が通ってアクセス良好.  ただ周囲に何もないのは今も昔も同じw

会議場の入口に設置された大看板.  コロナ前は当たり前だったこの光景すら, 3年ぶりの現地開催では新鮮.  「そうそう, コレですよ!」…忘れていたモノを思い出した感じ.


人工知能学会の年中行事の中でも, もっとも大規模で重要なのが全国大会.

メインホールはこの壮大さ.  さすが我が国を代表する会議場.  AI冬の時代だったらこの光景は実現不可能😆

AI学会会長, 野田五十樹先生(北大)のオープニング挨拶.  この後の山川宏さん(WBAI)による基調講演は, 2030年までに汎用人工知能(AGI)が完成するという超ラジカルな持論.

上の写真でも何となくわかりますが, 現地に着いてまず感じたのは, 意外と人が多い.  実は行く前は微妙な心境で, どうせ現地に行っても人はまばらで閑散としてるんでしょ…と予想(昨年12月のAPSIPA2021がそうだったので).  しかし現地に行ってみたらその予想は外れていて, というか, いや, このご時勢にこんなに人が集まっていいんだっけ!?

下の写真はインタラクティブ(ポスター発表)セッションのスナップショット.  こ, これは…「密」ではないだろうか😂


皆さんもれなくマスクを付けていることを除けば…


この光景はコロナ前とほぼ同じ!

数10社のスポンサー企業ブースもずらりと並び, 本学がお世話になっているS社やN社のブースも.  しかし筆者が長年世話になった某社のブースは, 兵隊は多いがこの飾りっけのなさは…どうしたことか?

関係者に聞くと, ここまで現地参加が多くなるとは思っていなかったようで, 若干想定外だった模様.  しかし, 私も含めて, 長らく会えなかった同業者たちとの再会を喜び, 活気あるオンサイトの臨場感を皆が楽しんでいる雰囲気が手に取るようにわかりました.  やっぱりリアルっていいな😭

え, 時代はメタバース? そうかもしれないけど, ドラクエの出来損ないみたいなチャチなアバターで参加するバーチャル会議は, 申し訳ないけどあんまり楽しくないです.  

筆者が5月に参加したバーチャル会議で使用したGather.Townのアバター.  使用感はドラゴンクエスト, それも1990年代のファミコン版のそれ.  服装や髪型を選んでカスタマイズできるが, それって楽しいのか?

最近読んだ以下の記事には激しく同意する私です.  メタバースはFacebook (Meta)社のゴリ押しでしょw

昨年10月, Mark Zuckerbergがメタバースを華々しく発表するも, 世間の盛り上がりは7か月でしぼむ.  そもそもなんで今さらVRでOculus Questなんだっけという話.

話題がそれたのでJSAI2022に戻します.  今大会で唯一残念だったのは, 全国大会の恒例行事, 3日目の夜に行われる参加者交流会(懇親会)が行われなかったこと.  これは中止とかではなく当初から開催しない方針だったもので, 現在の情勢を考えれば当然の判断ですが, 全国大会というお祭りにおいて, 毎回これを楽しみにしている参加者が多いのも事実.  来年は開催されるといいなあ.

ちなみに, 最後に開催された3年前の参加者交流会(JSAI2019, 新潟大会)はこんな感じ.  こんな密なイベント, 今は絶対無理ですね.  よろしければ筆者が当時書いた関連記事もご覧ください.

楽しい非日常の4日間はあっという間に終わり, クロージングセレモニー.  実行委員長の報告によると, 4日間の参加者総数は驚異の3,000人超え.  これは過去最高だった2019年(新潟)の2,900人を超える新記録.  現地参加も1,700人を超えたそうで, 前述のインタラクティブセッションの混雑ぶりに納得.

現地1,700人 + 遠隔1,300人…2回のフルオンライン大会を経て, オンラインとオンサイトのいいとこ取りを狙ったハイブリッド大会は結果的に大成功.

なお, 来年度の開催地は熊本だそうです.  2年前に急きょオンラインとなったJSAI2020の開催地が3年後にスライドした格好.  美味しいものがたくさんある九州, 今から楽しみです😊

くまモンが私を呼んでいるw

来年も当研究室の優秀な学生たちが成果を出して論文を書いてくれるはず!  これも今から楽しみです😊

0 件のコメント:

コメントを投稿